コラム「石けんについて」

キンケミ通信をご覧頂きありがとうございます。
今回のコラムでは、「石けん」についてご紹介していきたいと思います。

「石けんについて」

毎日TVをみているとCMがたくさん流れます。
TVコマーシャルを見ていると洗剤のCMが多くでていますね。
しかし、石けんのCMというのは最近見かけないです。化学の発展で現在では合成洗剤が洗剤の主流になっていることがわかります。
今回は、洗剤の原点ともいえる石けんについて簡単に紹介したいと思います。

まず、石けんを作る基礎となる化合物に「エステル」があります。
エステルとは酸とアルカリが中和して塩ができるのとよくにていて、酸とアルコールからできる化合物のことをいいます。
そして、有機酸の中には、炭素の鎖が長い高級脂肪酸というものがあり、また一個の分子にOH基(水酸化物基)が3個ある「グリセリン」というアルコールがあります。
この高級脂肪酸(酸)とグリセリン(アルコール)からできたエステルが脂肪(油脂)といいます。

分子のイメージとしては、三本の長い鎖の一端を結びつけたような分子で、この鎖が絡み合って油脂のトロリとした粘性の感じがでます。

このエステルをアルカリで加水分解することを「けん化」といいます。そこからできる高級脂肪酸ナトリウムが「石けん」です。

分子のイメージで長い鎖の部分は油と混ざりやすい親油性で、端のナトリウムの部分は親水性で水と仲良しです。
この二つの性質を持つことにより石けんは「水と油」を混ぜる役割を果たし、本来なら仲の悪い「水と油」をくっつけて汚れを落とします。
ひとことでいえば「石けん」は「水にも油にも仲良し」といえます。これが大きな特徴です。

日常で石けんを使う機会があれば、ぜひ石けんの分子をイメージしてみて下さい!

今回は「石けん」について紹介しました。

次回コラムも乞うご期待ください!
ありがとうございました。